設立趣意書

近年、首都直下型地震などの大地震が切迫していると予測されています。予想される大地震によって私たちの住まいが倒壊すれば、たちまち建築物は多くの命を奪う凶器と化し、壊滅的な被害を受ける危険性があります。中でも墨田区は、都内でも有数の木造家屋密集地域が多く残る地域であり、地元の建築専門家団体にとって、耐震補強推進は急務の課題です。

しかしながら、耐震補強は全国どの地域でも思うようには進んでおりません。補強工事の煩雑さや単価が高いこと、また悪質業者などによる手抜き工事等により専門業者への不信感などが障害となっています。

一方、墨田区では平成17年10月より木造住宅耐震改修促進事業が大きく進展し、自治体としては画期的な事業として平成18年1月より木造住宅の耐震改修工事費用の助成が始まりました。このことにより、今まで行われてきた木造住宅耐震改修促進事業の木造住宅無料耐震相談、民間建築物耐震診断助成も含め大きく進展しています。この動きを機敏に捉え生かすべく、住まい手の皆さん、造り手の皆さんと共に木造住宅の耐震改修工事をより一層進めたいと考えます。今こそ、墨田区内の建築専門家団体と地域が連携し、住民運動として耐震補強に取り組むときと考えます。

以上の趣旨の下、耐震補強に関する調査及び研究、普及促進及び技術指導等を通じて、耐震補強の健全かつ一層の発展を推進することを目的として、「墨田区耐震化推進協議会」を設立する運びとなりました。関係者の皆様のご理解とご参加をいただけますよう、何卒お願い申し上げます。

2006年6月17日

設立発起人一同